定年退職後、私は再就職という道を選択しませんでした。幾つかの大学や企業から声をかけていただきましたが、大学教授や会社役員という仕事は当然のことながら常勤であり、自由になる時間は土日だけになってしまうからです。もちろん生計についても考えなければなりませんでしたが、贅沢をしなければ何とかなるだろうと思いました。 現在の私の生活は、①レスタ、キャリサポ、チャレンジチームなど高校生や大学生の育成、②チャレンジ先生のエンジョイ講座、ヒューマンライブラリーなど生涯学習関連の講座やイベント、③心の窓、サニーヒルなど教育相談や不登校支援…の3つが柱となっています。いずれも無報酬ですが「ライフワーク」と思って自ら主体的に取り組んでいるものです。 近況を尋ねる何気ない問いかけなのでしょうが、「何か仕事はされているのですか」と訊かれる度に私は返答に苦慮していました。現職時代であれば所属や職名を答えればよかったわけなのですが…。たいがいは「特に仕事はしていません」と答えていました。「報酬を得てないのだから仕事ではない」という意識が自分の中にあったからです。 仕事でないとしたら私がしているのは何なのでしょう。趣味でしょうか、それとも道楽かな。ボランティアという意識もありませんでした。仕事って何だろう、報酬って何だろうと考える日がしばらく続きましたが、最近ようやく、自分のやっていることを「仕事」と認知するようになりました。なぜなら、お金以上に貴重な報酬をいただいていることに気がついたからです。 今は仕事を問われたとき、「高校生や大学生と一緒に活動したり、生涯学習関連のイベントをしたり、不登校支援の相談などをやっています」と答えています。 [2021.9.1 坂本 徹] コメントの受け付けは終了しました。
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