誰にでも慕われる人って居ます。あの人のことを悪く言う人を見たことがないというような人。一緒に居ると何故か癒される人。その人が居るだけで場が和む人。 こういう人って、ほとんどが持って生まれた人柄みたいなものなんだろうなあと思うのです。何故かと言うと、そういう人を分析してそうでない人と何が違うかと考えてみても、はっきりした理由が出てこないからです。何故だろう、何かそういう雰囲気・・・という雲をつかむような感じ。 昔、ママ友の間でリーダー的な人が居ました。リーダー的と言っても昨今噂されるような困ったボスママとは違い、本当に皆に慕われていて自然とリーダー的になっているといった感じで、実際困った時は本当に頼りになる人でした。 その人を観察していると仕切ったりしている様子は全くなく、むしろほとんど発言せずに聞き役に徹しています。けれどもしっかり相槌は返すし細やかな気遣いができるので、十分存在感があるのです。 「話し上手は聞き上手」ということわざがありますが、自分の話したいことを一方的に言うのではなく、相手の話を受け止めた上で言いたいこともしっかり伝えるという、コミュニケーションの極意のようなことわざです。 優秀な心理カウンセラーはほぼ何も言わないと聞きますが、“傾聴”の重要性が謳われて久しくなり様々な講座でその方法が取り上げられてもいます。良いことですが、一方で技法ばかりが先走っているように感じる時もあります。「相手の立場に立って気持ちに共感しながら理解しようとする」という説明がよくありますが、これを鵜呑みにしてしまうと危険な場合もあります。自分のフィルターを外して理解しようとするって本当に骨の折れる作業だし、共感なんてそうそう簡単にできるものではないと思うからです。(「共感」の定義に関しては2020年9月のブログに譲ります)本当の意味での“傾聴”は大変な修練が必要なはずで、“相手をより深く理解するために真意を探りながら聴く”なんて一朝一夕でできるものではありません。 ただ、心地よい人って何が違うかって唯一はっきりしている事は聞き上手なこと。特別共感してくれているとかこちらの立場に立ってくれているとか、そんなのではなく、次々と気持ちよく言葉が出てきちゃって「あれ、私なんでこんなことまで喋っちゃったんだろう。でも気持ち良かった」って人。 [2022.06.01 Y.Ohtaka] |
アーカイブ
10月 2024
|