仮に人生80年として、小学校から大学までが16年、1日のうち学校にいるのが8時間くらいとすると…。学校教育が人の人生に影響を与えることができるのは15分の1でしかありません。それでも、やはり頼りになるのは学校教育であり、教育の根幹であることは間違いないのです。
明治以来、日本の成長を支えてきた学校教育が大きな転期を迎えていることにお気づきでしょうか。近年、国は教育基本法と学校教育法を改正し、小学校、中学校、高等学校の学習指導要領をそれぞれ改訂して順次スタートさせました。これら一連の流れが何を意味するのか、正しく理解している人は少ないように思えます。特に教員の皆さんがどう受け止めているのかが気になります。 これまでにも行政的な手法で様々な教育改革が試みられましたが、学校特有の閉鎖性が壁となって効果は上がりませんでした。残念ながら「学校は変わらなかった」「先生は変われなかった」と言わざるを得ません。今背景にあるのは、人口減少や高齢化、地球規模の環境問題等、これまで経験したことのない様々な困難がいよいよ身近に迫っているという現実です。だから、国は法改正をしてまで教育改革を断行しようとしているのでしょう。 学習指導や生活指導に熱心な先生は有難いですし、部活の指導に燃える先生は頼もしいです。しかし、それだけでは本当の教育とは言えません。今こそ、教育の使命を思い出して欲しいのです。教育基本法の第一条と第二条が道しるべとなるはずです。 わずか15分の1、されど大事な大事な15分の1です。今回は、私の後輩である教員の皆さんへのエールのつもりで書きましたが、一般の方々もぜひ教育の本質について考えてみていただきたい。私は既に教育界から退いた身ですが、先生方のポテンシャルを信じて応援していきたいと思います。 [2021.3.1 坂本 徹] 参 考 教育基本法(平成18年改正) https://www.mext.go.jp/b_menu/kihon/about/mext_00003.html 改正前後の教育基本法の比較 https://www.mext.go.jp/b_menu/kihon/about/06121913/002.pdf |
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12月 2024
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