子どもの頃、親に「どうして?」と質問して困らせた経験、ありませんか? たとえば、「赤ちゃんはどこからくるの?」「空はなぜ青いの?」「どうして勉強しなくちゃいけないの?」など。そういう時、親がどんな反応をしてくれたか、覚えていますか? もしかすると、「自分で考えなさい」「知らないよ」「先生に聞きなさい」と言われたり、「そんなこと考えるなんて変な子ね」といった反応が返ってきたかもしれませんね。私もそういう経験をした一人です。 実は、これらの反応は、無意識のうちに子どもの探究心や好奇心に蓋をしてしまう可能性があります。探究心や好奇心は子どもの成長にとって重要な原動力です。それらに蓋をしてしまうと、彼らの世界が狭まってしまう可能性があるのです。 だとしたら、「問いを受け止める力」が大切です。子どもが「どうして?」と聞いてきた時、たとえすぐに答えられなくても、「いい質問だね」「凄いことに気がついたね!」といった一言が、子どものさらなる探究心を引き出すのです。そして、すぐに答えにくい質問には、「一緒に調べてみようか」「あとでゆっくり話そうか」と、子どもと一緒に考える姿勢が大切です。これによって、子どもは「疑問を持つことは良いこと」と自然に理解し、考える力を伸ばしていきます。 問いを受け止める姿勢は、対話の出発点です。問いに応じて即座に解決策を提供することよりも、その問いに価値を見出し、子ども自身が考えを深めていく過程をサポートすることが、彼らの成長に大きく貢献します。問いに対して「一緒に考えよう」という姿勢を示すことが、互いの信頼関係を強化し、同時に好奇心と探究心を育む土壌をつくるのです。 実際、子どもの純粋な「なぜ?」という問いかけは、私たち大人にとっても新しい発見のきっかけとなることが少なくありません。子どもたちの目を通して世界を見つめ直すことで、私たち自身も豊かな思考力を育むことができます。 次に子どもから「どうして?」と質問された時には、ちょっと立ち止まって「一緒に考えよう」と誘ってみてください。その瞬間が、お互いにとって、心豊かな成長の始まりになるかもしれません。 [2024.10 佐藤 智絵] コメントの受け付けは終了しました。
|
アーカイブ
10月 2024
|